Smoozを作った理由 (2)

前編では、芋づるのように検索ができるブラウザを作りたい、「調べる」をエンターテイメントにしたい、という話しをしました。

芋づる検索ってなんだ?具体的にどんな体験?というと、こんな感じ。

  1. 真田丸をテレビで観ながら、なにげなく「真田丸」を検索したくなる。
  2. NHKの公式ページ、Wikipedia、まとめ記事、などいろいろ漁る。
  3. 他の人はソーシャルでどういうコメントをしてるのかなと気になる。
  4. コメントとか呼んでいるうちに派生した興味がわいてくる。真田昌幸を演じた「草刈正雄」についてもっと知りたいなとか

つまり、検索 → コンテンツ取得 → 評判チェック → 派生コンテンツへ という道筋なんですが、これって、ウェブコンテンツの見せ方の王道だと思っていて、たとえばYoutubeで言うと、

キーワード検索する

お目当ての動画を見る

他の閲覧者のコメントをボーっと見る

次の動画が自動再生開始、もしくは関連動画を見る

という無限ループとなり、気づいたら2時間経ってたりするわけです。

Youtubeという閉じたサービスの中だけでなく、ウェブのコンテンツ全体でこういう世界を作ることができたら、めちゃくちゃ面白いだろうなぁ。そのためにはブラウザは何をしたらいいんだろう?ということを考えました。

1. タブ操作を極めて、検索を効率化

Googleは素晴らしい検索エンジンですが、質問をすると必ず最高の答えを1つ返してくれるわけではありません。とはいえ、検索結果からリンクを開き、検索結果に戻ってまた違うリンクを開くのは面倒ですよね。

パソコンのブラウザでは、タブUIの誕生によって、この問題が一気に解決されました。気になるページはとりあえずタブで開いておくことができるようになったので、ブラウジング効率が飛躍的に向上しました。

たしか初めて触ったタブブラウザはDonutというブラウザだったと思いますが、あの時の感動は忘れられられないです。最初は一部のマニア向けの機能だったのが、その後一気に広まって、今やおそらく全てのブラウザに搭載されメイン機能になっています。

一方スマホのブラウザでは、いちおうタブ機能自体はついているものの、とにかく操作が難しすぎる!

タブを開くには、リンクを長押し→ メニューが開く→ リンクを新しいタブで開く、と煩雑です。またタブを切り替える時も、タブの一覧を開く → 一覧の中でスクロールしてお目当てのタブを見つける → タブをタップする、とこれまた大変面倒です。

Safariで3つタブを開くと、こんな感じで目が回りそうな操作になります。

これに対して、Smoozでは、リンクを長押ししたら余計なメニューなど出さずに即バックグランドで即タブが開き、横スワイプをするだけでタブが切り替えられるようにしました。さらに、検索結果のページでは、新規タブを開くための専用ボタンを設置し、長押しではなく通常のタップでどんどんタブを開けるようにしました。

 

2. 文字入力コストを圧倒的に下げる

ちょっとでもユーザーが何かに興味を持ったなら、確実にそれを検索行動に結びつけたい。でも、パソコン上での文字入力に比べて、スマホにおける文字入力は数倍面倒なので、検索入力のコストを極限まで下げる必要があると考えました。

今までのブラウザは、検索文字を打ち始めると賢い推測をしてくれるんですが、文字を打つまでは何もしてくれないんですよね。僕は常々ブラウザに対して「お前、僕が次に何を知りたいか、もっと一生懸命考えてくれよ。」と思ってました。

というわけで、Smoozでは、今ユーザーが読んでいるウェブページから自然文解析によって要単語を抽出して、オススメの単語をタップするだけで検索ができるようにしました。

文字入力に関して言うと、検索のたびに、画面の上の方にあるブラウザの検索ボックス(URLバー)をタップしないといけないのも地味にストレスに感じていて、Smoozでは、起動時には自動的にキーボードを開く、新しいタブを開いたときには自動的にキーボードを開くなどの工夫もしています。

3. ソーシャルとの融合

面白い記事を読んだ後、他の人達はどんな反応をしてるんだろうと気になりませんか?

僕は、これまで、URLをコピー > Twitterアプリやはてなブックマークアプリを起動 > URLを貼り付けてコメントを見る、みないな涙ぐましい努力をしてコメントライフを楽しんでました。

Smoozではウェブサイトを開くだけで、コメント数がツールバーに表示され、ワンタッチでTwitterやはてなブックマークのコメントを楽しむことができます。

これがとっても便利なので、メッセンジャーのアプリ内ブラウザで面白い記事を読んだ後とかでも、そのURLをSmoozで開いてコメントを読む、という風にコメントビューアーとしても使っています。

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指定したURLのコンテンツを単純に表示するだけだった従来のブラウザ。

これに対して、Smoozはウェブコンテンツを楽しむための最善の道筋を敷いて、賢くコンテンツを見せてくれる。らくちんに次のコンテンツが見つかるから、興味が赴くままに、どんどん情報を探したくなる。そういうところを目指しています。

次回(最終回)はビジネス視点でこの市場をどう捉えているのかについて書いて締めたいと思います。

続く。

Smoozを作った理由 (2)